数学に必要な能力はなんでしょう?
ひらめき?
計算力?
思考力?
理解力?
まあ、どれもあるに越したことはないですが、もっとも重要な能力は
「記憶力」
です。
「数学は理系科目だから暗記じゃないでしょ」
「覚えることなんて公式くらいしかないじゃないか」
はい、数学は暗記ではありません。しかし、受験数学であれば暗記レベルです。
公式以外に何を覚えるのか?
解き方です。
解き方のパターンを覚えてしまえばいいのです。
「いや、本当に数学はひらめかないと解けないんだよ」
いいえ、覚えている解き方の量が少ないだけです。
受験数学はひらめきではありません。
覚えている解き方を当てはめて再現するだけです。
応用問題であっても、基本問題の組み合わせです。
基本問題に慣れていれば大した思考力は必要ありません。
大学受験の場合、2000~3000問覚えればどこでも受かります。
というより、高校で習う範囲の問題をどう工夫しようとも、限界があるのです。
完全なオリジナルの問題はなかなか作れないのです。
その辺の問題集のパクリ程度でしかありません。
それを見抜けるくらいの量の問題とその解き方を覚えることが受験数学の攻略の秘訣です。
「解き方を覚えるだけじゃ本物の力は身につかないぞ」
はい、思考も大事ですし、なによりレベルの高い思考、複雑な思考、論理的思考、それらに数学の醍醐味が存在するのでしょう。
しかし、レベルの高い思考をするためにはそれなりの準備が必要です。
一朝一夕ではできるようになりません。
なぜなら思考の材料が整ってないからです。
その材料が受験数学なのです。
さらにその材料に慣れている必要があります。
ルービックキューブをものすごい速さでそろえる人たちがいますよね?
彼らは初めからあんな風にできたわけではありません。
同じことを何回も繰り返し、パターンを覚え、自動的に体が動くまで慣れた結果です。
もう少し数学に近い例を出しましょう。
72×78=
このような問題を暗算で解くときにまさか72を78回たす人はいないですよね?
しかし九九を知らない人はそのようなことをしてしまいます。
時間がかかりますよね。
九九を反射的に言えない人も同様、時間がかかります。
九九を覚えるという思考の材料、それから反射的に九九が言えるという慣れ。
これらがそろって二けたの掛け算の暗算が出来るレベルに思考が追い付きます。
そう、レベルの高い思考はそれなりの準備があって可能になるのです。
以上より、受験数学はひらめきでも頭の良さでもほとんど関係ありません。
問題の解き方をたくさん覚えましょう。
知識は思考の材料です。